主催イベント Event

『雅の継承 近代の大和絵』

会期 / 9月16日(木) 11月28日(日)

大和絵とは、平安時代の9世紀後半から10世紀初め頃に、中国絵画の影響を受けた唐絵(からえ)が和様化し、日本独自の自然や風俗を題材とした絵として成立したものです。その後、大和絵の定義は時代を経るごとに変化し、その内容も多様化します。室町時代には土佐派が大和絵を標榜し宮中を中心に活躍しますが、やがて停滞を余儀なくされ、江戸時代には土佐派以外の流派でも大和絵風の画が描かれるようになりました。
そうした中、江戸時代末期、古い大和絵に学びその復興を試みた画家たちが現れます。また、明治時代になると、西洋文化への傾斜に対する伝統文化保護の機運が高まり、歴史画のブームとも相まって、伝統的な大和絵の様式が改めて注目されることになりました。さらに、明治末期から大正期にかけては、伝統を継承しながらも近代的な感覚と個性的な表現とを加味した大和絵作品が多くの画家によって生み出され、新しい日本画の画面として定着してゆきました。
本展では、こうした大和絵の流れの中から、幕末から昭和前期にいたる「近代の大和絵」に焦点をあて、その雅やかな世界を紹介します。

《展示内容》二階堂美術館所蔵の近代大和絵作品 約60点
第1章:幕末から明治へ~復古大和絵派の冷泉為恭や歴史画の大家・菊池容斎らの作品
第2章:松岡映丘とその周辺~松岡映丘を中心とした官展系の大和絵作品
第3章:浮世絵系の絵画~橋本雅邦の模写図や鏑木清方らの美人画
第4章:日本美術院の作家たち~今村紫紅、小林古径、安田靫彦ら旧紅児会系作家を中心に
第5章:京都の作家たち~菊池契月の武者絵や上村松園の美人画など

会  期=令和3年9月16日(木)~11月28日(日)
開館時間=9:00~17:00(入館は16:30まで)
休  館  日=毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日)

《関連事業》
【オープニング・ギャラリートーク】
日時= 9月16日(木) 13:30~
場所= 二階堂美術館展示室内
講師= 古賀道夫(当館学芸部長)
【講演会(スペシャル・ギャラリートーク)】
日時=10月2日(土)13:30~
場所=二階堂美術館展示室内
講師= 田中修二氏(大分大学教授)
【展示解説】
日時=10月9日(土)、23日(土)、11月6日(土)、20日(土)  各日とも13:30 ~
場所= 二階堂美術館展示室内
講師= 当館学芸員

左より菊池容斎「橘姫之図」、松岡映丘「秋の厳島」、小林古径「和氣清麻呂」